プハリ
ムハリ(მხალი)=標準形Pkhali (Georgian vegetable and walnut paste)
茹でた青菜を固く絞り、刻み、クルミとニンニクとワインビネガーで練り合わせて丸める。上にザクロをひと粒ずつ。冷たいまま、パンとワインと一緒に食べる。ジョージアの食卓で口にされる食用植物のおよそ半分は、この料理の形をしている。
概要 ― 青菜を絞って、クルミで束ねる
茹でた青菜や野菜の水気を徹底的に絞り、挽いたクルミ・ニンニク・ワインビネガー・香辛料と練り合わせて丸めた、冷たい前菜。ジョージア料理の前菜の中心にある。
直径3〜4センチの球が、皿の上に三つ並んでいる。ひとつは深い緑、ひとつは紫、ひとつは淡い黄。てっぺんにザクロの粒が数粒ずつ載っていて、それだけが濡れたように光っている。プハリである。ジョージアの前菜だ。
作り方の骨格はどこでも同じだ。青菜か野菜を茹でる。水気を徹底的に絞る。刻むか、すりつぶす。挽いたクルミ、ニンニク、ワインビネガー、香辛料を練り合わせたペーストと混ぜる。丸める。ザクロを載せる。以上である。火を使うのは最初の一工程だけで、あとはひたすら絞って、潰して、練る。
一口目に来るのは、意外にもクルミの脂だ。青菜の味は、そのあとから追いかけてくる。BBCの取材記事はこの食感を「パテのよう」、味を「豊かで、ほとんどバターのよう」と表現している。そこへ酢の酸味が筋を通し、最後にザクロが口をすぼめさせる。冷たいか、常温。温かいプハリというものは存在しない。
ひとつ、名前の話をしておく。世界のレストランで通っている「プハリ(ფხალი)」という呼び名は、じつは方言形である。標準形は「ムハリ(მხალი)」だ。この件はあとの章でくわしく書く。

皿に広げたほうれん草のプハリ。刻んだ青菜とクルミが練り合わさって、ペースト状になっている。


棒状に盛りつけたほうれん草のプハリ(左)/ビーツのプハリ。輪切りの玉ねぎを敷いて三つ(右)。
材料 ― 数えられた青菜は197種
ほうれん草、ビーツ、いんげん、キャベツ、なす。レストランの定番はこの範囲だが、村の台所で実際に使われている植物は197種にのぼる。
レストランで「プハリを」と頼むと、たいてい三つ出てくる。ほうれん草、ビーツ、白いんげん豆。これが定番の三色だ。キャベツ、なす、リーキ、アーモンド、鶏肉を使うものもある。だが、この三色は氷山の一角にすぎない。
2021年、民族植物学の学術誌『Journal of Ethnobiology and Ethnomedicine』に、ジョージアの食用植物を7年かけて調べた論文が出た。2013年から2019年にかけて380人以上に聞き取りをし、食用植物への言及を19,800件以上、527の分類群にわたって記録したものだ。そのなかに、次の数字がある。「全食用植物言及の約50パーセントがプハリ関連」。そして「プハリに使われる植物種は197種」。回答者の93パーセント以上が、茹でた青菜のプハリを作ると答えた。
つまりジョージアで人が口にする食用植物のおよそ半分は、プハリという形をとって食べられている。ほうれん草やビーツだけではない。イラクサ、スイバ、スベリヒユ、アスパラガス、サルトリイバラの新芽。ジョージア語ではこうした「プハリ向きの青菜類」をまとめてムハレウリ(მხალეული)と呼ぶ。
そして、この採集には手順上の意味がある。同じ論文は「プハリの調製は、使われる種の毒性を下げるための多くの工程を伴うことが多い」と書く。民族植物学者ウカシュ・ウチャイの言い方はもっと直接的だ。「プハリ用の野菜を30分茹でて水を絞ることで、毒性が下がる」。イメレティの野生プハリには、コンフリーやキンポウゲのような有毒な近縁種が混ざりうる。茹でて絞るのは、味のためだけの工程ではない。
意外なのは、どの地域がいちばん青菜を食べるかだ。同論文の地域別構成比では、ゼモ・イメレティ19パーセント、トリ16パーセント、クヴェモ・ラチャ16パーセント、トゥシェティ15パーセント、ヘヴスレティ14パーセント。いずれも冬が長い山岳地域である。研究者たち自身が「気候に恵まれた地域では利用がもっと限られると予想していたので意外だった」と書いている。


キャベツのプハリ。レタスを敷いて、中央にザクロ(左)/アーモンドで作ったプハリと、なすの切り身(右)。
Bussmann et al. 2021
言及総数は19,800件超
回答者380人超・2013〜2019年調査
野生植物は97科にわたる

イメレティ地方の風景。この地方の丘と亜熱帯の気候が、青菜を主役にする料理を育てた。
クルミ ― ジョージア料理の働き者
青菜を束ねているのは、挽いたクルミとニンニクとワインビネガーのペースト、バジェ(ბაჟე)。ジョージア料理でクルミが果たす役割は、他のどの食材よりも大きい。
プハリの正体は、青菜ではなくクルミである、と言ってもいい。ジョージア語でバジェ(ბაჟე)と呼ばれるクルミソースが、この料理の背骨だ。挽いたクルミ、ニンニク、ワインビネガー、水かブイヨン、そして香辛料。ここにザクロの果汁を加えることもある。
分量の目安はレシピによって幅がある。クルミ200グラムに対してほうれん草500グラム、ビーツ中3個、いんげん400グラム、という三種同時に作る配合もあれば、野菜450グラムにクルミ約100グラムという配合もある。共通しているのは、クルミとニンニクを5分ほどかけて徹底的にペースト状にすること。そして手で捏ねてまとめることだ。
ここに、この料理のいちばん面白い経済がある。ジョージア国家統計局の2025年の農家庭先価格を見ると、クルミは1キロ5.71ラリ。キャベツ類は1キロ0.65ラリである。1ラリは約60.58円(ジョージア国立銀行、2026年9月21日)なので、クルミ約346円、キャベツ約39円。つまりクルミ1キロは、キャベツ約9キロ分の値段だ。この国の人びとは、いちばん安い食材を、いちばん高い食材で仕立てている。
クルミの生産量そのものは、実はそれほど多くない。2025年で7.8千トン。同じ年のヘーゼルナッツが49.3千トンだから、6倍以上の差がある。だからサメグレロ地方では、クルミの代わりに地元で豊富なヘーゼルナッツを使う家庭もある。地域別に見ると、プハリの本場イメレティのクルミ生産は0.5千トンで、アジャリアの2.7千トンに遠く及ばない。この料理は、地元の産物で完結しているわけではないのだ。



くるみの実(左)/殻ごと割った断面。この中身を挽いてペーストにする(中)/むいたくるみの山(右)。


くるみのムラッバ(砂糖煮)。黒く艶が出るまで煮詰める(左)/未熟な青ぐるみで作るムラッバ(右)。どちらもジョージアの保存食。
ジョージアで口にされる食用植物のおよそ半分は、プハリという形をとって食べられている。Bussmann et al. 2021(J Ethnobiol Ethnomed 17:72)
香辛料 ― 「青いフェヌグリーク」の話
BBCが「ジョージアの聖なる三位一体のスパイス」と呼ぶのは、挽いたコリアンダー、マリーゴールドの花弁、そして青いフェヌグリーク。日本語圏で「ブルーマロー」と訳されがちな三つめは、まったく別の植物である。
プハリの香りをつくるのは三つの香辛料だ。BBCの取材記事はこれを「ジョージアの聖なる三位一体のスパイス」と呼ぶ。挽いたコリアンダー、砕いたマリーゴールドの花弁、そして大コーカサス産の青いフェヌグリーク。混ぜるとくすんだ緑色の粉になる。
三つめについて、はっきりさせておきたいことがある。ジョージア語ではウツホ・スネリ(უცხო სუნელი)といい、学名は Trigonella caerulea。マメ科の一年草で、草丈30〜60センチ、青い球状の花をつける。英語では blue fenugreek、または blue melilot と呼ばれる。この melilot(セイヨウエビラハギ)が mallow(ゼニアオイ)と取り違えられて、日本語圏でも「ブルーマロー」「青いゼニアオイの種」という訳が広まった。まったくの別物である。風味は普通のフェヌグリークに似るが、もっと穏やかだ。
二つめのマリーゴールドは、Tagetes patula(フレンチ・マリーゴールド)。乾燥させて挽いた花弁が、ジョージアで「イメレティのサフラン(imeruli shaphrani)」と呼ばれる。本物のサフランは入っていない。料理に土のような風味と黄色を与える。
この三つを含む乾燥ミックスがホメリ・スネリ(ხმელი სუნელი=「乾いた香辛料」)で、コリアンダーシード、セロリシード、乾燥バジル、ディル、パセリ、青いフェヌグリーク、サマーセイボリー、ローリエ、ミント、マリーゴールドなどが入る。ただし決まった配合はない。「ホメリ・スネリに決まったレシピはない。この点でインドのガラムマサラに似ている」。スヴァネティ産が最上とされている。
山岳地方のスヴァネティにはスヴァヌリ・マリリ(スヴァン塩)がある。標高1,800〜2,400メートルで採る野生ハーブに塩とニンニクを混ぜたもので、2015年にジョージアの無形文化遺産リストに登録された。アブハジアとサメグレロの辛いペースト、アジカは2018年に登録されている。

トビリシの市場の香辛料売り場。チュルチヘラ(クルミを糸に通してぶどう果汁で固めた菓子)と乾燥唐辛子、にんにくが吊り下がる。



青いフェヌグリーク(ウツホ・スネリ、Trigonella caerulea)の株(左)/開花期の畑。花は淡い青紫(中)/方眼紙の上に広げた種子(右)。
【標本】青いフェヌグリークの果実と種子。トゥールーズ自然史博物館の標本。1センチのスケールが添えられている。
クルミ1キロは、キャベツ約9キロ分の値段である。ジョージア国家統計局 2025年 農家庭先価格
スプラ ― 「プハリのないスプラなどない」
スプラ(სუფრა)はジョージアの宴。タマダと呼ばれる乾杯長が場を仕切り、前菜として必ずプハリが出る。ゴビという共有の器に盛られる。
「プハリのないスプラなどない」。シェフのダヴィト・ナリマニシュヴィリはBBCの取材にそう答えている。スプラ(სუფრა)はジョージアの宴のことだ。語義はもともと「テーブルクロス」で、ペルシア語の sofre に由来する。
スプラには二種類ある。祝いのスプラ(ლხინის სუფრა、ケイピ)と、弔いのスプラ(ჭირის სუფრა、ケレヒ)。後者は埋葬後に必ず催される。どちらにもプハリが出る。盛るのはゴビ(gobi)という、他の冷前菜と一緒に取り分けるための共有の器だ。
スプラを仕切るのがタマダ(乾杯長)である。作法は厳格だ。タマダが乾杯を提案して長く語っているあいだ、客はグラスを掲げたまま沈黙する。食べるのは許されるが、私語は許されない。その後、発言権は反時計回りに移り、話したい者が語ってグラスを飲み干す。「優れたタマダには卓越した弁舌と、酔った様子を見せずに大量の酒を飲む能力が要る」。
ちなみにタマダという語を「テーブルの長」と説明する俗説があるが、これは民間語源である。実際には共通チェルケス語の *tħamada に由来する。ヴァニ遺跡から出土した角杯を持つ青銅像は紀元前7世紀のもので、「タマダ像」と呼ばれている。
食べ方そのものは自由だ。パンやラヴァシュに塗る。ムチャディ(トウモロコシのパン)に詰める。ワインと合わせる。現代のトビリシでは、シェアするディップとして出す店もある。


プハリの団子、なすのくるみ巻き、赤いアジカが並ぶ食卓(左)/ムチャディにビーツのプハリをのせて(右)。

ジョージアの宴、スプラの食卓。料理とワインが並び、タマダの乾杯を待つ。
断食 ― 年に200日、肉を絶つ国の前菜
ジョージア正教会の斎期は年間で相当な日数にのぼる。肉・魚・卵・乳製品・ワイン・油を絶つあいだ、食卓を支えたのがムハレウリだった。
プハリに動物性の材料は入らない。これは偶然ではない。ジョージア語版ウィキペディアは端的に書いている。「ムハレウリはとりわけ断食期に消費された」。
正教会には年に四回の斎期がある。最大のものが大斎(დიდი მარხვა)で、清めの月曜に始まる40日間。絶つのは肉、魚、卵、乳製品、ワイン、そして油である。ワインと油は土曜・日曜と一部の祝日のみ許される。BBCの記事は、この国で斎日が「年間200日にも達しうる」と書いている。これは教会の公式なカウントではないが、ジョージアにヴィーガン料理が多い理由としてはよく説明がつく。
同じジョージア語版の記述には、さらに踏み込んだ一節がある。「草食は修道生活で広まり、その実践者たちは『ムゾヴレビ(მძოვრები)=草を食む者たち』と呼ばれた」。そして「ムハリとムハレウリは、戦乱と凶作の時代には主食の代替物だった」。
その記憶は、そう遠い過去のものでもない。トビリシ在住のマリネ・ザンザヴァ氏(58歳)はBBCにこう語っている。両親が食卓に食べ物を並べられなかったとき、庭の青菜からプハリを作った、と。前菜という言葉の軽さとは、少し違う場所にある料理なのだ。


サツィヴィ。鶏をクルミのソースに浸した料理で、語義そのものが「冷たい料理」(左)/バダリジャニ・ニグヴズィト。揚げたなすにクルミペーストを巻く(右)。

リーキを下茹でして、くるみペーストと和えたもの。青菜でなくても、同じ手つきで料理になる。
ムハリとプハリ ― 世界に広まったのは方言のほう
標準ジョージア語では「ムハリ(მხალი)」。「プハリ(ფხალი)」はイメレティ方言である。ヘヴィでは「ヒムハリ」、トゥシェティでは「サツェベリ」と呼ぶ。
ジョージア語版ウィキペディアは、この料理の項目を「ムハリ(მხალი)」で立てている。そして冒頭に括弧書きで「(方言形:ფხალი)」と添えている。ფხალი は მხალი へのリダイレクトだ。典拠として挙がっているのは『ジョージア物質文化民族誌辞典』(メリディアニ社、2011年、610頁)である。
同じ項目には、地方ごとの呼び名も載っている。ヘヴィ(山岳地帯)ではヒムハリ(ხიმხალი)、トゥシェティではサツェベリ(საწებელი)、そしてイメレティではプハリ(ფხალი)。世界のレストランのメニューに載り、この記事の見出しにもなっている「プハリ」は、イメレティ地方の言い方なのである。
語の原義も、辞典が定義している。「葉を食用に茹でる、畑または野の青菜。またその青菜から作られた食べ物」。材料の名がそのまま料理の名になっている、ということだ。
地域差は呼び名だけではない。グリアではパセリとコリアンダーを効かせる。カヘティではクルミを未精製のひまわり油で補う。サメグレロはいちばん辛く、ミングレル風のアジカを香辛料に加える。イメレティでは、4月になると一家総出で生垣や森の空き地へ採集に出る。
ムハリmkhali
მხალი
辞典・百科事典の見出し語はこちら
プハリpkhali
ფხალი
世界のレストランに広まったのはこの方言形
ヒムハリkhimkhali
ხიმხალი
山岳地帯の呼び名
サツェベリsatsebeli
საწებელი
同じ料理を指す別語
バジェbazhe
ბაჟე
プハリを束ねているクルミソースそのもの
サツィヴィsatsivi
საცივი
語義は「冷たい料理」。鶏や七面鳥のクルミソース
ニグヴズィアニ・バドリジャニnigvziani badrijani
ნიგვზიანი ბადრიჯანი
直訳「クルミなす」。揚げなすのクルミ巻き
ロビオlobio
ლობიო
豆料理の総称。赤いんげんの伝来は1500年以降


木の皿に盛った前菜の盛り合わせ。ビーツのプハリ、緑のプハリ、ドルマ(左)/チーズ、ハチャプリ、なす、プハリが並ぶ大皿(右)。
両親が食卓に食べ物を並べられなかったとき、庭の青菜からプハリを作った。マリネ・ザンザヴァ(トビリシ、58歳)/BBC Travel 2022年4月
現在 ― 村の草が、市場に戻ってきた
ソ連期に入ってきたニンジンとビーツ、2020年代のリバイバル、そして「レシピが書かれてこなかった」という根本的な事情。
いまレストランで出る「プハリ三色」のうち、ビーツとニンジンは比較的新しい。トビリシでレストランを営むメリコ・グベラゼは、この二つをジョージアの台所に持ち込んだのはソ連統治(1922〜1991年)だとBBCに語っている。彼女の店の「プハリ・トリオ」は、その歴史の名残でもある。
近年は逆向きの動きもある。かつて「村のもの」だったエカラ(つる性のサルサパリラの新芽)のピクルスが、いまやトビリシのデゼルテル・バザールのどこででも売られている。若い世代向けに、赤いんげんとなすのプハリを詰めたムチャディをファストフードとして出す店も現れた。2022年のBBC記事によれば1個12ラリ、当時の英貨で約3ポンド。2026年9月のレートに換算すれば約727円になる。ただしこれは2022年の価格で、現在の値段ではない。
面白いのは、野生のプハリ(ヴェルリ・プハリ)だけは店に出ないことだ。イラクサやアカザなどの野草で作るこの料理について、民族植物学者ウチャイは「どのレストランのメニューにも載っていない」と言う。材料はクタイシの中央市場で買えるのに、である。
この料理の歴史を書くのが難しい理由も、はっきりしている。ヴェラ・キリア氏の言葉をBBCが引いている。「ジョージアの女は分量を量らないし、レシピにも従わない!」。口伝のまま数百年続いてきたものを、文献から再構成することはほとんどできない。
なお、プハリもスプラも、ユネスコの無形文化遺産には登録されていない。ジョージアの登録は5件のみで、多声合唱(2008年)、クヴェヴリ製法のワイン醸造(2013年)、ジョージア文字3書体(2016年)、チダオバ(2018年)、小麦文化(2025年)である。国内の無形文化遺産リストは2025年10月時点で76件あり、そこにはスヴァン塩とアジカが入っている。プハリという料理そのものは、いまも登録も規格もないまま、197種の草とともに台所にある。

イメレティ地方アルグヴェティ付近。4月になると、この風景のどこかへ一家総出で青菜を採りに出る。
基本情報
- 料理名
- ムハリ(მხალი)が標準形。プハリ(ფხალი)はイメレティ方言。ヘヴィではヒムハリ、トゥシェティではサツェベリ
- 国・地域
- ジョージア(人口約394万人/2026年1月1日現在、Geostat)
- 分類
- 茹でた青菜・野菜を絞って刻み、クルミペーストと練り合わせた冷製前菜
- 主材料
- 青菜または野菜+クルミ+ニンニク+ワインビネガー+香辛料。仕上げにザクロ
- 定番3種
- ほうれん草、ビーツ、白いんげん豆。ほかにキャベツ、なす、リーキ、アーモンド、鶏肉
- 香辛料
- コリアンダー、マリーゴールド(イメレティのサフラン=Tagetes patula)、青いフェヌグリーク(ウツホ・スネリ=Trigonella caerulea)
- クルミソース
- バジェ(ბაჟე)。挽きクルミ+ニンニク+ワインビネガー+水またはブイヨン+香辛料
- 大きさ
- 直径3〜4センチの団子。冷製または常温で供する
- 使われる植物種
- 197種(Bussmann et al. 2021)。全食用植物言及の約50%を占める
- 値段の目安
- プハリ入りムチャディ1個12ラリ(2022年時点/トビリシ)。1ラリ=約60.58円(ジョージア国立銀行、2026年9月21日)なら約727円
- クルミの生産量
- 7.8千トン(2025年)。ヘーゼルナッツは49.3千トンで6倍以上
- 文化的位置づけ
- スプラ(宴)の前菜。正教会の斎期の食事。ユネスコ無形文化遺産には未登録
この料理と一緒に読む
出典
- Bussmann et al.「Unity in diversity—food plants and fungi of Sakartvelo (Republic of Georgia), Caucasus」Journal of Ethnobiology and Ethnomedicine 17:72(2021年)(プハリに使われる植物197種、全食用植物言及の約50%、回答者93%超、地域別構成比、毒性を下げる調製工程の出典)
- ジョージア語版ウィキペディア「მხალი(ムハリ)」(標準形はムハリ・プハリはイメレティ方言、地方別呼称、原義、断食期の位置づけ。典拠は『ジョージア物質文化民族誌辞典』(2011年、610頁))
- Sarah Freeman「Pkhali: Georgia's versatile vegan appetiser」BBC Travel(2022年4月7日)(現地取材。「プハリのないスプラはない」、聖なる三位一体のスパイス、地域差、ソ連期のニンジン・ビーツ導入、野生プハリ、12ラリのムチャディ、証言)
- ジョージア国家統計局(Geostat)農業統計(クルミ7.8千トン・ヘーゼルナッツ49.3千トン(2025年)、クルミ5.71ラリ/kg・キャベツ0.65ラリ/kg の農家庭先価格)
- ジョージア国家統計局(Geostat)人口統計(2026年1月1日現在の人口394.11万人)
- ジョージア国立銀行 公式為替レート(2026年9月21日時点で100円=1.6507ラリ(1ラリ≒60.58円))
- UNESCO Intangible Cultural Heritage — Georgia(プハリもスプラもユネスコ未登録であることの確認。ジョージアの登録5件と各年)
- Wikipedia「Trigonella caerulea」(ウツホ・スネリの学名同定。blue melilot と blue mallow の取り違えの整理)
- Wikipedia「Khmeli suneli」(ホメリ・スネリに固定配合がないこと、スヴァネティ産が最上とされること)
- Wikipedia「Supra (feast)」(スプラの語源、祝いと弔いの二種、タマダの作法(沈黙・反時計回り))
写真(26枚)
- 1. Spinach pkhali.jpg / Georgian Recipes at Georgia About / CC BY 3.0 / 原典
- 2. Pkhali 3.jpg / Krista / CC BY 2.0 / 原典
- 3. Ispanakhis pkhali.JPG / Georgi1 / CC BY-SA 3.0 / 原典
- 4. Beetroot fkhali with nuts.jpg / Georgian Recipes at Georgia About / CC BY 3.0 / 原典
- 5. Cabbage pkhali.jpg / Georgian Recipes at Georgia About / CC BY 3.0 / 原典
- 6. Пхали (Миндаль) 2020.jpg / Eraevsky / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 7. Pkhali, Badrijani and Ajika.jpg / salvagekat / CC BY-SA 2.0 / 原典
- 8. Mchadi with Beetroot pkhali, pomegranate seeds and herbs.jpg / Eka Samkharadze / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 9. Georgian Sampler Plate 1 2024-05-14.jpg / Fastily / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 10. Georgian cheese, khachapuri, eggplant and pkhali.jpg / Ekkatterrinna / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 11. Semi boiled Leek with walnut paste.jpg / Temur888 / CC0 / 原典
- 12. 4 walnut kernels.jpg / Andrei Suslov / CC BY-SA 3.0 / 原典
- 13. Half a walnut with shell and kernel.jpg / Aleda12 / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 14. Walnut kernels.jpg / FADIND SOUL / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 15. Walnut murabba.jpg / Georgian Recipes at Georgia About / CC BY 3.0 / 原典
- 16. Green walnut murabba.jpg / Eka Samkharadze / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 17. Satsivi Batumi.jpg / Francesc Fort / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 18. Badrijani (cropped).jpg / salvagekat / CC BY-SA 2.0 / 原典
- 19. Tbilisi Market. Spice Section.jpg / Ekkatterrinna / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 20. ულუმბო Trigonella caerulea Blue Fenugreek.JPG / Lazaregagnidze / CC BY-SA 3.0 / 原典
- 21. Trigonella caerulea – Гуньба голуба – Під час цвітіння.jpg / Zenon Sych / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 22. Trigonella caerulea – Гуньба голуба – Насіння.jpg / Zenon Sych / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 23. Trigonella caerulea MHNT.BOT.2015.34.57.jpg / Roger Culos(トゥールーズ自然史博物館) / CC BY-SA 3.0 / 原典
- 24. Nature of Imereti 2023-06-29-1.jpg / Alexey Komarov / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 25. 2024-05-04 View near Argveti in Imereti.jpg / Yuri Samoylov / CC BY-SA 4.0 / 原典
- 26. Georgian Feast (7).jpg / rugbyxm / CC BY 2.0 / 原典
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