皿からはみ出すほど長く焼いたマサラ・ドーサ
インド(南インド)ぱりっと焼いた米と豆の生地に、ほくほくのじゃがいもパン・粉もの・点心

マサラ・ドーサ

Masala dosa(ಮಸಾಲೆ ದೋಸೆ/மசாலா தோசை)Rice and lentil crepe with spiced potatoes

発酵させた米とウラド豆の生地を薄く焼き、じゃがいものスパイス炒めを包む南インドの料理。長く巻いたり、折りたたんだりして盛り付け、チャトニやサンバルと味わう。

概要
01

長い薄焼きの中に、黄色いじゃがいも

米と豆の発酵生地で、じゃがいものスパイス炒めを包む。大きな薄焼きでも、中身はほくほくしている。

マサラ・ドーサは、米とウラド豆の生地を薄く焼き、じゃがいもの具を包む南インドの料理だ。筒状に巻いたり、半分に折ったりして盛り付ける。外側の焼き色と、内側の黄色い具が一皿の中で対照を作る。

カルナータカ州観光局は、じゃがいもを添えたマサラ・ドーサ、厚めのセット・ドーサ、具を加えないプレーン・ドーサを紹介している。ドーサは薄焼きの名前、マサラ・ドーサはその食べ方の一つと考えると、メニューを読みやすい。

バナナの葉にのせたバター・マサラ・ドーサとチャトニ、サンバル
味と特徴
02

ぱりっとした生地に、やわらかな具

焼き面の香ばしさと、じゃがいもの柔らかさが重なる。付け合わせも一緒に味わう。

表面を薄く広げて焼くと、縁は軽く割れるような食感になる。具のじゃがいもは茹でてから香辛料や玉ねぎと合わせるため、薄焼きの中に柔らかな部分が残る。ギーを使う作り方では、焼き面にバターの香りも加わる。

一枚を少しずつちぎり、具と合わせて食べる。ココナッツのチャトニやサンバルの小鉢が付く盛り付けもある。まず薄焼きと具を一緒に、次に付け合わせを少量加えると、一皿の味の変化をつかみやすい。

ドーサの中に包まれたじゃがいものマサラ(スパイス炒め)

ぱりっと割って、じゃがいもと。薄い生地の香ばしさと、柔らかな具。付け合わせを少しずつ加えて味わう。

材料と産地
03

米と豆を挽き、発酵させ、鉄板に広げる

生地づくりと具づくりは別々。最後に薄焼きの内側で合わせる。

調理器具メーカーHawkinsの料理冊子には、米とウラド豆を浸水して挽き、発酵させた生地を使う作り方が掲載されている。じゃがいもは先に茹で、からし種、カレーリーフ、唐辛子、玉ねぎ、しょうがなどと合わせる。

タワと呼ばれる平たい鉄板の中央に生地を落とし、お玉の底を使って外へ薄く広げる。焼いてからじゃがいもの具をのせ、生地を折り重ねる。発酵時間や配合は作り手と環境で変わるため、一つの数値をドーサ全体の規則にはしない。

鉄板(タワ)に生地を薄く広げて焼くところ
歴史と由来
04

老舗の食堂で受け継がれる朝の料理

ベンガルールのMTRは1924年創業。今もマサラ・ドーサを看板料理に挙げる。

南インドの食堂文化を知る手掛かりになるのが、ベンガルールのマヴァッリ・ティフィン・ルームズ(MTR)だ。公式の沿革によると、1924年に兄弟がBrahmins’ Coffee Clubを開き、1930年代に現在の店名へ変わった。

MTRは、米と豆の薄焼きをギーで焼き、スパイスを加えたじゃがいもを包むMasala Doseを紹介する。店の歴史と料理の発明年は別であり、この創業年をマサラ・ドーサの誕生日として扱うことはできない。

ギーを使って焼いたドーサと3種の付け合わせ
1924年MTRの創業

店の公式沿革。料理の発明年ではない

大きなペーパー・ドーサと、じゃがいもの具が見えるマサラ・ドーサ。大きさの異なる盛り付け例
広がり
05

南インドの一皿が、海外の街でも

パリにも、米の薄焼きとじゃがいもを組み合わせるマサラ・ドーサがある。

パリのSaravanaa Bhavanは、南インドの菜食料理を紹介するメニューに、スパイスを加えたじゃがいも入りの薄焼きを載せている。欧州の都市を歩くツアーで出会っても、料理の土台は南インドの米と豆、じゃがいもの組み合わせにある。

一方で、家庭用の商品にもドーサの名前は広がっている。MTR Foodsは米や黒緑豆に、ほかの穀物を加えたMultigrain Dosaを紹介する。外食の一枚と即席ミックスは同じ配合とは限らず、料理名の下にさまざまな作り方がある。

バナナの葉に盛ったマドラス風マサラ・ドーサとサンバルアメリカの街角で営業するドーサのフードトラック
仲間と変わり種
06

赤いチャトニ、厚い生地、発酵しない薄焼き

ドーサの仲間は、具・厚さ・生地で見分ける。

マイソール・マサラ・ドーサは、内側に赤いチャトニを塗り、じゃがいもの具を加える型として州観光局が紹介している。じゃがいもを包む基本形に、もう一層の香味が加わる。

厚く焼くウッタパム、セモリナを使うラヴァ・ドーサも近縁料理だ。沿岸部のニール・ドーサは、浸水した米の生地を発酵させずに焼くと観光局が説明する。どれも薄焼きの仲間だが、米と豆を発酵させるマサラ・ドーサと同じ工程ではない。

プレーン・ドーサとサンバル、チャトニの小鉢野菜をのせて厚めに焼いたウッタパムセモリナの生地で網目状に焼くラヴァ・ドーサ

基本情報

国・地域
インド、南インドの料理
主な材料
米、ウラド豆、じゃがいも
生地
浸水して挽き、発酵させて焼く
道具
平たい鉄板タワ、お玉
付け合わせ
チャトニ、サンバル
近縁料理
マイソール・マサラ・ドーサ、ウッタパム、ラヴァ・ドーサ、ニール・ドーサ

出典

写真(11枚)

  • 1. 皿からはみ出すほど長く焼いたマサラ・ドーサ / SteveR- / CC BY 2.0 / 原典
  • 2. バナナの葉にのせたバター・マサラ・ドーサとチャトニ、サンバル / Hrishikesh Premkumar / CC BY 2.0 / 原典
  • 3. ドーサの中に包まれたじゃがいものマサラ(スパイス炒め) / Charles Haynes / CC BY-SA 2.0 / 原典
  • 4. 鉄板(タワ)に生地を薄く広げて焼くところ / cell105 / CC BY 2.0 / 原典
  • 5. ギーを使って焼いたドーサと3種の付け合わせ / David Leo Veksler / CC BY-SA 2.0 / 原典
  • 6. 大きなペーパー・ドーサと、じゃがいもの具が見えるマサラ・ドーサ。大きさの異なる盛り付け例 / Paul Joseph / CC BY 2.0 / 原典
  • 7. バナナの葉に盛ったマドラス風マサラ・ドーサとサンバル / Paul Joseph / CC BY 2.0 / 原典
  • 8. アメリカの街角で営業するドーサのフードトラック / Ricardo Diaz / CC BY 2.0 / 原典
  • 9. プレーン・ドーサとサンバル、チャトニの小鉢 / Alpha / CC BY-SA 2.0 / 原典
  • 10. 野菜をのせて厚めに焼いたウッタパム / Ravi Talwar / CC BY 2.0 / 原典
  • 11. セモリナの生地で網目状に焼くラヴァ・ドーサ / Alpha / CC BY-SA 2.0 / 原典

写真の原典・作者・CC利用条件を確認。写真は各地の盛り付け例で、本文で紹介した店の料理とは限りません。掲載用に縮小・WebP圧縮し、表示時に自然な明るさを整えています。

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