
マサラ・ドーサ
Masala dosa(ಮಸಾಲೆ ದೋಸೆ/மசாலா தோசை)Rice and lentil crepe with spiced potatoes
発酵させた米とウラド豆の生地を薄く焼き、じゃがいものスパイス炒めを包む南インドの料理。長く巻いたり、折りたたんだりして盛り付け、チャトニやサンバルと味わう。
長い薄焼きの中に、黄色いじゃがいも
米と豆の発酵生地で、じゃがいものスパイス炒めを包む。大きな薄焼きでも、中身はほくほくしている。
マサラ・ドーサは、米とウラド豆の生地を薄く焼き、じゃがいもの具を包む南インドの料理だ。筒状に巻いたり、半分に折ったりして盛り付ける。外側の焼き色と、内側の黄色い具が一皿の中で対照を作る。
カルナータカ州観光局は、じゃがいもを添えたマサラ・ドーサ、厚めのセット・ドーサ、具を加えないプレーン・ドーサを紹介している。ドーサは薄焼きの名前、マサラ・ドーサはその食べ方の一つと考えると、メニューを読みやすい。

ぱりっとした生地に、やわらかな具
焼き面の香ばしさと、じゃがいもの柔らかさが重なる。付け合わせも一緒に味わう。
表面を薄く広げて焼くと、縁は軽く割れるような食感になる。具のじゃがいもは茹でてから香辛料や玉ねぎと合わせるため、薄焼きの中に柔らかな部分が残る。ギーを使う作り方では、焼き面にバターの香りも加わる。
一枚を少しずつちぎり、具と合わせて食べる。ココナッツのチャトニやサンバルの小鉢が付く盛り付けもある。まず薄焼きと具を一緒に、次に付け合わせを少量加えると、一皿の味の変化をつかみやすい。

ぱりっと割って、じゃがいもと。薄い生地の香ばしさと、柔らかな具。付け合わせを少しずつ加えて味わう。
米と豆を挽き、発酵させ、鉄板に広げる
生地づくりと具づくりは別々。最後に薄焼きの内側で合わせる。
調理器具メーカーHawkinsの料理冊子には、米とウラド豆を浸水して挽き、発酵させた生地を使う作り方が掲載されている。じゃがいもは先に茹で、からし種、カレーリーフ、唐辛子、玉ねぎ、しょうがなどと合わせる。
タワと呼ばれる平たい鉄板の中央に生地を落とし、お玉の底を使って外へ薄く広げる。焼いてからじゃがいもの具をのせ、生地を折り重ねる。発酵時間や配合は作り手と環境で変わるため、一つの数値をドーサ全体の規則にはしない。

老舗の食堂で受け継がれる朝の料理
ベンガルールのMTRは1924年創業。今もマサラ・ドーサを看板料理に挙げる。
南インドの食堂文化を知る手掛かりになるのが、ベンガルールのマヴァッリ・ティフィン・ルームズ(MTR)だ。公式の沿革によると、1924年に兄弟がBrahmins’ Coffee Clubを開き、1930年代に現在の店名へ変わった。
MTRは、米と豆の薄焼きをギーで焼き、スパイスを加えたじゃがいもを包むMasala Doseを紹介する。店の歴史と料理の発明年は別であり、この創業年をマサラ・ドーサの誕生日として扱うことはできない。

店の公式沿革。料理の発明年ではない

南インドの一皿が、海外の街でも
パリにも、米の薄焼きとじゃがいもを組み合わせるマサラ・ドーサがある。
パリのSaravanaa Bhavanは、南インドの菜食料理を紹介するメニューに、スパイスを加えたじゃがいも入りの薄焼きを載せている。欧州の都市を歩くツアーで出会っても、料理の土台は南インドの米と豆、じゃがいもの組み合わせにある。
一方で、家庭用の商品にもドーサの名前は広がっている。MTR Foodsは米や黒緑豆に、ほかの穀物を加えたMultigrain Dosaを紹介する。外食の一枚と即席ミックスは同じ配合とは限らず、料理名の下にさまざまな作り方がある。


赤いチャトニ、厚い生地、発酵しない薄焼き
ドーサの仲間は、具・厚さ・生地で見分ける。
マイソール・マサラ・ドーサは、内側に赤いチャトニを塗り、じゃがいもの具を加える型として州観光局が紹介している。じゃがいもを包む基本形に、もう一層の香味が加わる。
厚く焼くウッタパム、セモリナを使うラヴァ・ドーサも近縁料理だ。沿岸部のニール・ドーサは、浸水した米の生地を発酵させずに焼くと観光局が説明する。どれも薄焼きの仲間だが、米と豆を発酵させるマサラ・ドーサと同じ工程ではない。



基本情報
- 国・地域
- インド、南インドの料理
- 主な材料
- 米、ウラド豆、じゃがいも
- 生地
- 浸水して挽き、発酵させて焼く
- 道具
- 平たい鉄板タワ、お玉
- 付け合わせ
- チャトニ、サンバル
- 近縁料理
- マイソール・マサラ・ドーサ、ウッタパム、ラヴァ・ドーサ、ニール・ドーサ
出典
- カルナータカ州観光局「Neer dosa」(米とウラド豆の生地、ドーサの型、ニール・ドーサ)
- カルナータカ州観光局「South Karnataka Food Trail」(マイソールの赤いチャトニとじゃがいもの具)
- Mavalli Tiffin Rooms 公式(1924年創業の沿革、Masala Doseの説明)
- Hawkins「Futura Nonstick Dosa Tava」料理冊子(冊子22〜25ページ。マサラ・ドーサ、ラヴァ・ドーサ、ウッタパムの作り方)
- Saravanaa Bhavan Paris 公式メニュー(パリで提供されるじゃがいも入りのマサラ・ドーサ)
- MTR Foods「Delitebox」(多穀物ドーサとサンバル、ココナッツ・チャトニ)
写真(11枚)
- 1. 皿からはみ出すほど長く焼いたマサラ・ドーサ / SteveR- / CC BY 2.0 / 原典
- 2. バナナの葉にのせたバター・マサラ・ドーサとチャトニ、サンバル / Hrishikesh Premkumar / CC BY 2.0 / 原典
- 3. ドーサの中に包まれたじゃがいものマサラ(スパイス炒め) / Charles Haynes / CC BY-SA 2.0 / 原典
- 4. 鉄板(タワ)に生地を薄く広げて焼くところ / cell105 / CC BY 2.0 / 原典
- 5. ギーを使って焼いたドーサと3種の付け合わせ / David Leo Veksler / CC BY-SA 2.0 / 原典
- 6. 大きなペーパー・ドーサと、じゃがいもの具が見えるマサラ・ドーサ。大きさの異なる盛り付け例 / Paul Joseph / CC BY 2.0 / 原典
- 7. バナナの葉に盛ったマドラス風マサラ・ドーサとサンバル / Paul Joseph / CC BY 2.0 / 原典
- 8. アメリカの街角で営業するドーサのフードトラック / Ricardo Diaz / CC BY 2.0 / 原典
- 9. プレーン・ドーサとサンバル、チャトニの小鉢 / Alpha / CC BY-SA 2.0 / 原典
- 10. 野菜をのせて厚めに焼いたウッタパム / Ravi Talwar / CC BY 2.0 / 原典
- 11. セモリナの生地で網目状に焼くラヴァ・ドーサ / Alpha / CC BY-SA 2.0 / 原典
写真の原典・作者・CC利用条件を確認。写真は各地の盛り付け例で、本文で紹介した店の料理とは限りません。掲載用に縮小・WebP圧縮し、表示時に自然な明るさを整えています。
