
チョングッチャン
청국장Stew of quick-fermented soybeans, pungent and hearty
粒の残る豆、糸を引く発酵、香りの強い汁。チョングッチャンは長く熟成させるテンジャンとは違う豆の調味料で、チゲにすると豆腐や野菜と重なる。古い料理書の材料を知ると、素朴な見た目にも意外な幅がある。
粒と糸のある豆を、
鍋の調味料へ。
発酵した豆を、香りの強い食品として眺めるだけでなく、具のある鍋の調味料として知る。粒、豆腐、野菜、飯が重なる一杯には、発酵と加熱の別々の時間がある。
チョングッチャンは、煮た大豆を短い期間で発酵させるもの。温かい場所で豆を発酵させ、塩や薬味を合わせて使う。豆の粒と粘りが残る姿は、日本の納豆を連想させるが、食卓での使い方を同じと決めつけない方がよい。
チゲに入れると、豆の香りと粒の質感が汁の中へ入る。豆腐や野菜、肉などを合わせる型があり、発酵豆そのものを少量の副菜にする食べ方とは違う。一つの発酵食品が、鍋の味を作る中心になる。

赤い薬味を使う豆の鍋の食卓。 写真の出典

煮立つチョングッチャンの鍋。 写真の出典
戦場の豆か、
清から来た豆か。
名前については、「戦国醤」と結びつける説明や、「清国醤」と結びつける説明が伝えられる。戦時に短い時間で作れる調味料だったという話と、清から伝わったという話は、別の由来の説である。どちらも、そのまま料理の誕生日を示す確定記録ではない。
名前の物語を楽しみながら、実際に確認できる製法と分けて読むと面白い。短い発酵で豆を使うという性質は確かだが、その性質からすぐ戦場での発明を断定することはできない。料理の特徴と伝承がどう結びつくかを見る話として味わいたい。

飯や小皿と合わせた豆のチゲ。 写真の出典
豆が発酵して、
短い時間で別の味になる。
長期熟成のみそと、
発酵の時間が違う。
チョングッチャンとテンジャンは、どちらも大豆を使う調味料だが、作り方と熟成の時間が異なる。チョングッチャンの発酵にはバチルス属の細菌が関わる。何でも乳酸菌の発酵としてまとめると、豆の粘りや香りを生む仕組みを取り違える。
鍋の写真では、白い豆腐の周りに豆の粒が見える一杯も、赤い薬味で汁の色が変わる一杯もある。強い香りだけを話題にするより、粒の残し方と、何を一緒に煮るかを見ると、料理としての幅を具体的に知れる。

豆を加熱する仕込みの工程。 写真の出典
素朴な豆の鍋にも、
魚介と牛肉の記録。
1939年の『朝鮮料理法』には、干したタラ、アワビ、ナマコ、牛肉の部位などを合わせるチョングッチャンの調理が紹介される。今日の豆腐と野菜の鍋だけを、そのまま昔の料理の唯一の姿だと思うと、この材料の広さは意外に見える。
豆の調味料は、豪華な具材とも組み合わせられていた。発酵豆だから必ず肉のない料理、と考えることもできない。現代の一杯を選ぶ際には、豆腐だけか、豚や牛、魚介を使うかという鍋の中身を知ると、食べる料理の形が分かる。

チョングッチャンの鍋と小皿。 写真の出典
豆、豆腐、飯。
白いものを違う質感で。
掲載写真には、発酵した豆の粒の接写と、チゲを匙ですくった様子がある。豆そのものの粘りと、汁に入った粒の質感は同じ見え方ではない。材料の写真は鍋の中に何が入ったかを伝え、完成した汁の写真は食べる形を伝える。
豆腐は発酵豆と同じ大豆の仲間の材料だが、白くやわらかな塊になる。飯と一緒に匙へ載せると、豆の粒、豆腐、米という三つの質感が一口で重なる。見た目の地味な鍋にも、材料の形を変えた取り合わせがある。

匙に豆と豆腐をすくったところ。 写真の出典
香りの強さだけで、
一杯を決めない。
煮立つ鍋の写真と、盛り付けた食卓の写真では、料理の時間が違う。鍋で豆や野菜が一緒になり、食卓で飯や小皿と一食になる。発酵豆の香りの印象だけで終わらず、豆腐の量、汁の濃さ、粒の見え方を見比べると、店や家庭の違いが分かる。
長く寝かせるみそと、短い発酵の豆。韓国の大豆の料理を知るときは、その二つを並べると面白い。同じ豆を使っても、時間と加工を変えることで、鍋の香りも、匙に残る形も変わる。

粒と粘りの見える発酵大豆。 写真の出典
丸い豆が、
汁の中にも残る。
発酵した豆の写真には、豆一粒の形と、粒をつなぐ粘りがある。鍋へ使うと、豆は汁の味の材料であり、匙ですくう具にもなる。テンジャンを汁へ溶く姿とは、豆の粒の見え方が違う。
豆腐は同じ大豆から作っても、なめらかな白い塊になる。発酵豆の細かな粒と豆腐の大きめの塊を一鍋に入れると、一つの植物を異なる加工で食べる料理になる。大豆が多いというだけでなく、どの形へ変えたかを知ると一杯が分かる。
野菜や肉を合わせる型では、豆以外の形も残る。具の多い鍋と、発酵豆が目立つ鍋を見比べると、チョングッチャンの強い香りを共通にしながら、食べる材料の割合には幅がある。
豆の短い発酵と、
野菜の熟成を合わせる。
チョングッチャンとキムチは、発酵させる材料が違う。豆の短い発酵と、白菜などの熟成した材料が、同じ食卓へ並ぶことがある。発酵食品という一つの分類に入っても、菌の働き、材料の形、鍋での使い方は同じではない。
チゲを煮る時間の前に、豆を発酵する時間がある。客席の熱い鍋だけでは見えない材料の加工を知ると、韓国の汁物の味が、火の仕事だけでできていないことが分かる。発酵、具の準備、加熱、飯との組み合わせが、一杯に重なる。
『増補山林経済』に煮た豆を温めて発酵させる記録がある。
『朝鮮料理法』に干したタラやアワビ、牛肉を合わせる調理がある。
豆の短い発酵と、キムチなど野菜の熟成が同じ食卓に並ぶ。
基本情報
- 国・地域
- 韓国。家庭の発酵料理
- 分類
- 短い発酵の大豆を調味料にし、豆腐や野菜と煮る粒の残るチゲ
- 主な材料
- 短期発酵の大豆、豆腐、野菜、肉。古い記録では干したタラ、アワビ、ナマコ、牛肉も
- 味の軸
- 発酵した豆の強い香りと粘り。塩や薬味を合わせ、赤い薬味で汁の色が変わる一杯もある
- 調理
- 煮た大豆を温かい場所で発酵させ、塩や薬味を合わせて鍋の調味料にし、具と煮る
- 食べる場面
- 家庭の食卓。飯や小皿と一食にし、匙で豆と豆腐と米を一緒にすくう
- 型・地域差
- 豆腐と野菜の鍋、豚や牛、魚介を合わせる型。具の多い鍋と発酵豆が目立つ鍋
- 現地名
- 청국장(Cheonggukjang)
- 記録・注記
- 1760年の『増補山林経済』に製法。名前は戦国醤説と清国醤説があり、確定記録ではない
出典
写真(10枚)
- 1. 豆の粒と豆腐を合わせたチョングッチャンのチゲ。 / Dalgial / CC BY-SA 3.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 2. 赤い薬味を使う豆の鍋の食卓。 / Brücke-Osteuropa / CC0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 3. 煮立つチョングッチャンの鍋。 / chomjong / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 4. 発酵した大豆。完成したチゲの前の材料。 / 최광모 / CC BY-SA 4.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 5. 豆の汁をすくうところ。 / chomjong / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 6. 飯や小皿と合わせた豆のチゲ。 / Shene81 / CC BY 3.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 7. 豆を加熱する仕込みの工程。 / 경빈마마 / CC BY 4.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 8. チョングッチャンの鍋と小皿。 / Shene81 / CC BY 3.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 9. 匙に豆と豆腐をすくったところ。 / 차차PD / CC BY 4.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 10. 粒と粘りの見える発酵大豆。 / 美知 / CC BY 2.0 kr / 原典。表示時に明るさを調整。
写真は各原典で作者とライセンスを確認したものです。すべてサイト内に取り込み、本文では明るさ・彩度を控えめに補正して表示します。




