
メミルジョンビョン
메밀전병Thin buckwheat crepe rolled around kimchi filling, from Gangwon markets
そばの薄焼きに野菜や肉などを包むメミルジョンビョン。巻いた一本を切ると、生地の薄さと詰め物の色が見える。江原道の粉の食文化と市場の鉄板から、そば麺とは別の食べ方を知る。
麺にせずに、
薄く焼いて巻く。
そばの生地は、麺の主食にも、薄い包みにもなる。メミルジョンビョンの切り口には、鉄板で一枚を作り、具を巻く手の仕事が残っている。
メミルはそば。メミルジョンビョンは、そばの粉を使う薄い生地に具を包む料理として紹介される。マッククスの麺と同じ仲間の粉でも、ゆでるのではなく、鉄板で薄く焼く。外側の生地の形が違えば、食べる料理も別になる。
切った断面には、薄い生地が具を一周している様子が見える。厚いパンの皮とは違い、包みは中の材料をまとめるために薄く使われる。一つの料理の中で、そばは風味の材料であると同時に、具を持つ形を作る材料でもある。

切り分ける前の長いそばの巻き物。 写真の出典
そばを使う土地には、
焼く料理もある。
江原道の食文化を知ると、そばの麺だけでなく、薄焼きや巻き物が登場する。粉を水と合わせる料理は、細く押し出すか、平らに焼くかで違う形になる。土地の材料を、一種類の名物だけへ限定しない方が面白い。
現在の巻き物に見える赤い具を、そのまま昔から変わらない全ての姿と考える必要はない。使う野菜や肉、味付けには幅がある。記録で確認できない発明の年代を足すより、そばの粉を使う地域と、市場で焼く仕事を具体的に知りたい。

そば粉の生地を鉄板に薄く広げる。 写真の出典
大根、豚肉、イカ。
薄い包みに具をまとめる。
韓国観光公社の料理紹介には、千切りの大根や、豚肉、イカなどを使う型がある。野菜だけの巻き物と、肉や魚介を加える巻き物では、中身の歯触りが違う。赤い色の具も、材料を一つに決める手がかりにはならない。
細い具を生地へまとめると、切った一切れに具が残る。バラバラの千切りをそのまま皿へ盛る料理とは、取りやすい形が違う。薄焼きの生地が、野菜と肉を一口へまとめる働きをしている。

赤い具を巻いたメミルジョンビョンの断面。 写真の出典
薄いそばの生地に、
赤い具を巻いて。
広げた生地を、
焼いて具をのせる。
生地を薄く焼く料理では、厚みと焼き面の扱いが大切になる。麺のように湯で形を決めるのではなく、平らな面で一枚の形を作る。焼き上がった生地へ具を置き、巻いて一本へまとめると、平らだった粉の料理が筒の形になる。
掲載写真には、長い巻き物を皿へ並べた姿と、切った断面の姿がある。一本の全体と一切れの中身を見比べると、料理がどのように一口へ分かれるかが分かる。切る前は長く、切った後は薄い皮と具の重なりになる。

ねぎをのせて焼いたそば粉のジョン。 写真の出典
西部朝市の鉄板に、
そばの料理が並ぶ。
寧越の西部朝市は、メミルジョンやメミルジョンビョンなどを食べる場所として観光公社の地域案内に登場する。市場は、粉を仕込んで焼き続ける料理の仕事が、食べる人に近い場所にある。
市場の薄焼き全てがメミルジョンビョンというわけではない。巻かない焼き物と、具を入れて巻く焼き物は別の形になる。鉄板の前で料理名を知るときは、そばを使うか、具を巻くかという二つを分けて見ると分かりやすい。

旌善の市場で焼かれるジョン。 写真の出典
そばの専門店には、
麺と巻き物がある。
ソウルのミジンは、そばの麺とメミルジョンビョンなどを出す店として紹介される。江原道の市場の食べ物という印象だけでなく、都市のそば料理の専門店でも食べられる。粉の料理は、人の移動とともに別の食堂へ広がる。
同じ食堂で、汁へ入れるそば麺と、具を巻く薄焼きを知れると、加工の違いが分かりやすい。そばの香りだけを一律の感想にせず、麺の弾力と、薄い包みの形を別々に見ると、一つの粉を使う料理の幅を知れる。

市場の鉄板の前で焼く人。 写真の出典
白い縁と赤い具を、
同じ口へ運ぶ。
断面の写真には、赤い詰め物と、その周りに薄く重なる生地が見える。生地の比率が小さくても、具をまとめる重要な部分である。イカの胴に詰めるオジンオスンデや、小麦の皮で包むマンドゥと比べると、外側を何で作るかの違いが面白い。
メミルジョンビョンは、そばを麺にする以外の道を伝える料理。地域の粉、市場の鉄板、細い野菜と肉、巻いて切る工程が重なる。切った一切れの中に、粉を薄い形へ変える仕事が残っている。

旌善の市場に並ぶジョンと巻き物。 写真の出典
細い大根と肉を、
薄い生地へ収める。
千切りの大根などの具は、そのままでは一つの形にまとまらない。薄い生地へ置いて巻くことで、長い具が一本の料理になる。切り分けると、どの一切れにも包みと中身が入る。
豚肉やイカを使う型では、野菜だけの具と歯触りが変わる。全ての巻き物を同じ赤いキムチの具だと考えず、主な材料を知ると中身の幅が分かる。そばの外側は共通でも、詰め物が料理の印象を変える。
ホットクは具を包んでから焼く型で、メミルジョンビョンは薄く焼いてから巻く。生地と具を合わせる順が違う。外側を平らに焼けることが、薄いそばの包みを作る仕事へ向いている。

済州のピントック(そば粉の巻き物)。 写真の出典
そば麺と薄焼きが、
同じ土地の材料を使う。
江原道では、そばを使うマッククスと焼き物を知れる。麺を押し出す道具と、薄焼きを作る鉄板は、同じ粉へ違う形を与える。寧越の市場の焼き物は、土地の粉の料理の一つである。
巻かないメミルジョンと、具を巻くメミルジョンビョンでは、完成した一枚の使い方が違う。薄い生地をそのまま食べるか、具の包みにするかを分けると、名前の近い市場の料理も、それぞれの形で知れる。
同じ材料から、
違う料理の形へ。
材料の加工や主食の形を、関連する別の料理と見比べる。下の写真は、それぞれ名前を添えた料理の実例。
マッククス

飯や小皿も並ぶマッククスの食卓。 写真の出典
基本情報
- 国・地域
- 韓国。江原道の市場料理で、寧越の西部朝市やソウルのそば専門店でも出る
- 分類
- そばの粉の薄い生地を鉄板で焼き、具を巻いて一本にする巻き物
- 主な材料
- そばの薄皮、千切りの大根、豚肉、イカなどの野菜や肉の具
- 味の軸
- そばの風味と、赤い色の具。具の材料や味付けには幅がある
- 調理
- 生地を薄く焼き、焼き上がった面に具を置いて巻き、切り分ける
- 食べる場面
- 江原道の市場の鉄板で焼く料理。ソウルのミジンなどそば専門店でも
- 型・地域差
- 野菜だけの巻き物と、豚肉やイカを加える巻き物。巻かないメミルジョンとは別
- 現地名
- 메밀전병(Memil Jeonbyeong)
- 記録・注記
- 発明の年代は記録で確認できない。寧越の西部朝市が観光公社の地域案内に登場
出典
写真(10枚)
- 1. そばの薄い生地へ具を巻いたメミルジョンビョンの断面。 / 김다혜 / CC BY 2.0 kr / 原典。表示時に明るさを調整。
- 2. 切り分ける前の長いそばの巻き物。 / Michael Sean Gallagher / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 3. 飯や小皿も並ぶマッククスの食卓。 / pcamp / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 4. そば粉の生地を鉄板に薄く広げる。 / Korea.net / Korean Culture and Information Service (Jeon Han) / CC BY-SA 2.0 / 原典。
- 5. 赤い具を巻いたメミルジョンビョンの断面。 / 나미옥이야 / CC BY 4.0 / 原典。
- 6. ねぎをのせて焼いたそば粉のジョン。 / Junho Jung / CC BY 3.0 / 原典。
- 7. 旌善の市場で焼かれるジョン。 / Junho Jung / CC BY-SA 3.0 / 原典。
- 8. 市場の鉄板の前で焼く人。 / Junho Jung / CC BY-SA 3.0 / 原典。
- 9. 旌善の市場に並ぶジョンと巻き物。 / Junho Jung / CC BY-SA 3.0 / 原典。
- 10. 済州のピントック(そば粉の巻き物)。 / Tong-Seob Kim / CC BY-SA 3.0 / 原典。
写真は各原典で作者とライセンスを確認したものです。すべてサイト内に取り込み、本文では明るさ・彩度を控えめに補正して表示します。


