
ホンオサマプ
홍어삼합Fermented skate, boiled pork and aged kimchi eaten in one bite, from Mokpo
発酵させたエイに、ゆでた豚肉とキムチを合わせるホンオサマプ。三つを一口にすることで、強い香りの魚は別の食べ方になる。木浦や光州の食卓に結びつく料理を、発酵と組み合わせから知る。
エイの切り身に、
豚肉とキムチ。
強い発酵魚を、別の二つの材料へ重ねる。ホンオサマプの面白さは、香りを弱くするだけではなく、肉とキムチで一口の料理を組み立てるところにある。
ホンオはエイの仲間の魚。サマプは三つを合わせるという意味の料理名で、発酵した魚、ゆでた豚肉、キムチを組み合わせる。三種類を同じ皿へ置くだけでなく、一口で一緒に食べる形が特徴になる。
掲載写真には、白い豚肉の切り身、魚、赤いキムチが並ぶ。材料を一つずつ食べる場合と、三つを重ねる場合では、一口の中に入る味が違う。魚だけの香りを聞いて判断するより、組み合わせの料理として知ると分かりやすい。

三つの材料を別々に並べ、食べるときに合わせる皿。 写真の出典
アンモニアの刺激を、
料理の特徴として知る。
観光公社の食文化解説は、発酵したホンオの強い香りにアンモニアが関わると説明する。魚が新鮮なままの刺身と、発酵して香りが変わった魚は同じ料理ではない。ホンオサマプでは、発酵した魚の特徴を生かす。
強い香りを、腐った魚という短い言葉だけで片づけない方がよい。一方で、刺激があるほど全ての人においしいとも限らない。発酵の程度に差があることを知ると、ホンオの食堂が一律の同じ香りの魚を出すわけではないことが分かる。

エイを発酵させる甕と道具の展示。 写真の出典
豚の脂と、
キムチの酸味を合わせる。
魚、肉、キムチは、同じ味の三品ではない。やわらかくゆでた豚肉、発酵した魚、酸味のあるキムチという違う材料を重ねる。観光公社は、魚の強い特徴を豚肉とキムチで合わせて食べる方法として紹介する。
一口にする量を変えると、前へ出る材料も変わる。三つを同じ比率で山にする厳密な作法だと考えるより、魚の一切れに肉とキムチを重ねる料理として知りたい。写真の並びは、食べるときに一口を作るための準備でもある。

エイ、豚肉、キムチを並べた皿。 写真の出典
魚、豚肉、キムチ。
強い香りを三つで受け止める。
木浦の食堂と、
光州の市場。
木浦にはホンオを出す食堂があり、観光公社は南道アリランやインドンジュ・マウルなどを紹介する。店によって発酵の程度や魚の使い方が異なる。南道アリランは、比較的軽い発酵の型も紹介される食堂の一例である。
文化体育観光部の地域案内には、光州の良洞市場とホンオサマプの結びつきが登場する。発酵した魚は一軒の特別料理だけでなく、市場や食堂の食文化になっている。都市名と料理名をつなぐことで、皿の三品が土地の食卓へ広がる。

エイの和え物、ホンオムチム。 写真の出典
焼き物にすると、
香りの出方も変わる。
ホンオを使う料理には、卵などをまとわせる焼き物や、汁料理もある。観光公社の解説は、加熱すると発酵した魚の香りが強く感じられる型にも触れる。サマプの切り身を、そのまま全てのホンオ料理の姿だと考えない方がよい。
魚の肝を使う汁など、部位を変える料理もある。切り身の皿、焼き物、汁という違いを知ると、同じ魚が別の加熱と盛り付けに開かれていることが分かる。強い香りだけではなく、料理の型にも幅がある。
発酵したホンオと、
別のエイ料理。
韓国のエイの料理には、発酵しない魚を使う別の型もある。魚の仲間の名が近くても、全てをホンオサマプと同じ刺激のある料理として説明することはできない。使う魚と発酵の有無を分けて知ると、材料の幅が見える。
豚肉も、ゆでた肉として一緒に盛られる。焼いたサムギョプサルではなく、ポッサムに近いゆで肉の姿が、魚とキムチを重ねる食べ方に向く。魚料理だけの話として読まず、豚の調理も一口の構成に関わると知りたい。

ホンオを盛った大皿。 写真の出典
別々に並べて、
一口で重ねる。
全体の写真では三つの材料の並びが分かり、近い写真では肉と魚の切り口が分かる。同じ皿でも、遠くと近くで見える情報は違う。写真に別々に置かれた材料が、食べるときに一つになる点は、混ぜる前のビビンバにも通じる。
ホンオサマプは、珍しい発酵魚を紹介するだけで終わらない料理。魚の香り、豚肉の脂、キムチの酸味を合わせる具体的な食べ方がある。強い素材を別の素材で受け止める工夫として知ると、驚きの食べ物という印象より深く読める。

黒山島のエイ。 写真の出典
別の料理だった材料を、
食卓で一つにする。
ゆでた豚肉、熟成したキムチ、発酵したエイは、別々の加工を経た材料である。肉をゆでる火の仕事、野菜を熟成させる時間、魚を発酵させる時間は同じではない。皿へ並べてから、食べる人が一口へ重ねる。
豚肉の脂の層と、魚の切り身の形、白菜の葉では、歯触りが異なる。三つの材料の比率を変えると、前へ出る味も変わる。盛り付けは別々でも、料理の仕上げは一口の中で行われる。
ポッサムはゆで肉へ葉やキムチを合わせる。ホンオサマプは魚も一緒にする。ゆで肉の役割を比べると、肉が主役になる皿と、強い魚へ合わせる皿の違いが分かる。三品を並べた料理名には、この取り合わせの発想が残る。
発酵の程度にも、
切り身の料理にも違い。
観光公社が紹介する木浦の食堂には、発酵を比較的軽くした型もある。魚の強い香りだけを一律の特徴にして、どの店も同じ刺激と考えない方がよい。料理は、使う魚と発酵の状態、同時に出す材料で違いが出る。
焼き物や汁へ使うホンオもあり、切り身のサマプだけでは魚の使い道を語り切れない。発酵した材料を、加熱せず組み合わせるか、焼くか、汁へ入れるか。最後の調理で料理の形も香りの出方も変わる。

黒山島の港。 写真の出典
基本情報
- 国・地域
- 韓国。全羅道の木浦や光州
- 分類
- 発酵した魚に、ゆで豚とキムチを重ねて一口で食べる皿
- 主な材料
- 発酵させたエイ(ホンオ)、ゆでた豚肉、熟成したキムチ
- 味の軸
- 発酵魚のアンモニアの香り、豚の脂、キムチの酸味
- 調理
- 魚を発酵させ、豚をゆで、キムチと別々に並べて食べるときに重ねる
- 食べる場面
- 木浦の食堂や光州の良洞市場など、全羅道の食卓
- 型・地域差
- 発酵の程度は店で異なり、焼き物や汁、肝を使う汁もある
- 現地名
- 홍어삼합(Hongeo Samhap)
- 記録・注記
- 観光公社が木浦の南道アリランなどを紹介。発酵しないエイの料理は別
出典
写真(10枚)
- 1. 発酵したエイ、ゆで豚、キムチを合わせるホンオサマプ。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 2. 三つの材料を別々に並べ、食べるときに合わせる皿。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 3. ゆでた豚肉を並べ、葉野菜やキムチを添えたポッサム。 / Korea.net / Korean Culture and Information Service / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 4. 赤いキムチのスープに、豆腐とねぎを合わせたキムチチゲ。 / by miyagawa / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
- 5. エイを発酵させる甕と道具の展示。 / knittymarie / CC BY-SA 2.0 / 原典。
- 6. エイ、豚肉、キムチを並べた皿。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。
- 7. エイの和え物、ホンオムチム。 / New2lines / CC BY-SA 4.0 / 原典。
- 8. ホンオを盛った大皿。 / 자유로 / CC BY 2.0 kr / 原典。
- 9. 黒山島のエイ。 / Korea Copyright Commission / CC BY 4.0 / 原典。
- 10. 黒山島の港。 / Gaël Chardon / CC BY-SA 2.0 / 原典。
写真は各原典で作者とライセンスを確認したものです。すべてサイト内に取り込み、本文では明るさ・彩度を控えめに補正して表示します。




