ルガイユ・ソシスと豆入りリ・ザンブロカルを盛り合わせたレユニオン料理
レユニオン / フランス海外県

ソシス・ペイ

Saucisse péi

島でいちばん食べられている煮込みの、主役

RÉUNION24
輪になって、ぐるぐる巻いてある。

市場の精肉売り場に、細いソーセージが輪になって山積みされている。ソシス・ペイ(saucisse péi)。péi はクレオール語で「この土地の」という意味で、島で作られた豚のソーセージを指す。

太さは細めで、腸に詰めて長く巻いてある。生のものと、燻したものの両方が売られている。燻したものはブカネと同じ扱いで、色が濃く、表面が乾いて締まっている。

この島でいちばん有名な料理のひとつが、これを使ったルガイユ・ソシス(rougail saucisses)だ。ソーセージを湯がいてから輪切りにし、トマト・玉ねぎ・生姜・唐辛子と炒め合わせる。白飯と豆を添えれば、島の食卓の完成形になる。

同じ売り場には、モツを詰めたザンドゥイユ(zandouille/クレオール風アンドゥイユ)も並んでいる。赤いトレーに入って、輪切りにされた断面が見えるように置かれていることが多い。

旅行者にとっては、ソーセージそのものを買うより、ルガイユ・ソシスを食堂で頼むほうが早い。日替わりの定番なので、たいていどこかの店にある。

島の豚ソーセージ1kg 10〜18€(約1,800〜3,200円)ルガイユ・ソシスの主役
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売り場を見る

店頭の赤いトレーに並べられたザンドゥイユ(クレオール風アンドゥイユ)
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赤く染まった塩漬け豚バラ(ブカネ)が山盛りになった売り場隣に並ぶ赤い塩漬け豚バラ

店頭の赤いトレーに並べられたザンドゥイユ(クレオール風アンドゥイユ)(2011年撮影)

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断面を見せて並べるla trancheザンドゥイユは輪切りの断面が見えるように置く。中のモツの詰まり方が分かる
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赤いトレーla barquette島の精肉売り場でよく使われる。量り売りでここに入れて渡される
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腸に詰めた形le boyau腸に詰めて縛る。ソシス・ペイは細めで、長く巻いた状態で売られる
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生と燻製fraîche / fumée同じ売り場に両方ある。燻したものは色が濃く、表面が乾いている
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一口目

味

塩気と、香辛料の輪郭

豚の脂の甘みに、にんにくと香辛料の輪郭がついている。燻したものは、そこに煙の香りが乗る。単体では塩気が強めで、白飯と一緒に食べる前提の味つけになっている。

食感

細めで、噛みごたえがある

太いソーセージのようにジューシーではなく、締まっていて噛みごたえがある。輪切りにして炒め合わせると、切り口から脂が出て煮汁に混ざる。

ルガイユにすると

トマトの酸が全部まとめる

湯がいて輪切りにし、トマト・玉ねぎ・生姜・唐辛子と炒め合わせる。塩気の強いソーセージにトマトの酸が入って、白飯が進む一皿になる。

値札を添えて店頭に吊るされたブカネ(燻製豚バラ)
値札を添えて店頭に吊るされたブカネ(燻製豚バラ)。同じ売り場にある(2011年撮影)
「Boucané maigre」の札をつけた赤身の燻製豚の売り場
「Boucané maigre」の札をつけた赤身の燻製豚の売り場(2011年撮影)
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ルガイユ・ソシスの作り方

1ソーセージを湯がく

生のソシス・ペイを湯がいて、余分な塩気と脂を抜く。燻したものを使うときも同じ。この一手間で仕上がりの塩加減が決まる。

茹で汁は捨てる
2輪切りにする

1〜2センチの輪切りにする。切り口から脂と香りが出て、あとで煮汁に混ざる。

厚めに切ると食べごたえが出る
真っ赤な小粒のピマン(唐辛子)が山盛りになった売り台3
香辛料をそろえる

にんにく、生姜、唐辛子、タイム。市場の唐辛子売り場には島の小粒の唐辛子が山になっている。

辛味は入れる家と、卓上で足す家がある
4炒め合わせる

玉ねぎを炒め、にんにく・生姜・唐辛子を加え、トマトを入れて、輪切りのソーセージを合わせる。カリのように長く煮込まず、材料の形が残るところで火を止める。

これがルガイユのやり方
5白飯と豆を添える

白米、豆(グラン)、炒めた葉物(ブレッド)と一緒に出す。卓上のルガイユで辛さを足す。

皿の構成は他の料理と同じ
ソシス・ペイ(豚ソーセージ)トマト玉ねぎにんにく生姜唐辛子タイム塩・こしょう油
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この一皿の来歴

植民地時代

豚を余さず使う

島で飼った豚をさばいたあと、肉は燻し、モツやくず肉はソーセージに詰めた。保存と歩留まりの両方のための技術。

長い年月

「ペイ」という言い方

péi(クレオール語で「この土地の」)を付けて、輸入品と区別するようになる。カブリ・ペイ、コンバヴァ・ペイなども同じ用法。

20世紀

ルガイユ・ソシスが定番に

トマトと唐辛子で炒め合わせる形が、島でいちばんよく食べられる料理のひとつになる。

現在

生と燻製の両方

精肉店や市場に、生のものと燻したものが並ぶ。モツを詰めたザンドゥイユも同じ売り場にある。

島の外へ

通販で本土へ

島を離れた人向けに、クレオールのシャルキュトリを本土へ送る店がある。

レユニオンの料理でいちばん名前が挙がるのは、たぶんルガイユ・ソシスだ。カリ・プレと並ぶ島の定番で、食堂の日替わりにも家庭の食卓にもある。その主役が、この細い豚のソーセージになる。

「ペイ(péi)」という言葉は、この島でよく使われる。クレオール語で「この土地の」という意味で、輸入品と区別するときに付ける。カブリ・ペイ(島の山羊)、コンバヴァ・ペイ(島のコンバヴァ)、そしてソシス・ペイ。市場の札にこの3文字があれば、島産という合図だ。

ソーセージという食べものの成り立ちは、どこの国でもだいたい同じで、豚を余さず使うところから始まっている。肉は燻して長くもたせ、モツやくず肉は挽いて腸に詰める。この島でも同じことをしていて、ブカネ(燻製の塊肉)とソシス・ペイとザンドゥイユは、一頭の豚から出てくる別々の答えだと言える。

ザンドゥイユ(zandouille)はモツを詰めたもので、フランス本土のアンドゥイユにあたる。赤いトレーに輪切りの断面を見せて並べてあるので、売り場ですぐ分かる。好みが分かれる食べものだが、島の精肉売り場を見る楽しみのひとつではある。

旅行者としては、ソーセージを買うより食堂でルガイユ・ソシスを頼むほうが早い。日替わり(plat du jour)の常連なので、たいていどこかの店に出ている。カリを一皿食べたなら、次はこれを頼むと島の二大定番を押さえられる。

「péi」の用法、生と燻製の両方が売られること、ルガイユ・ソシスの作り方は島で一般的に語られている整理による。配合や辛さは店・家庭によって幅がある。

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この一皿の余話

ことばの話

「ペイ」は島産の合図

péi はクレオール語で「この土地の」という意味だ。市場の札にこの3文字があれば、輸入品ではなく島で採れた・作られたものだという合図になる。ソシス・ペイ(島のソーセージ)、カブリ・ペイ(島の山羊)、コンバヴァ・ペイ(島のコンバヴァ)、サック・ペイ(島の袋)。値段は少し高いことが多いが、島の人はこの表示を見て買う。旅行者にとっても、いちばん覚えやすい買い物の目印だ。

豚の話

ブカネとソシスとザンドゥイユは、同じ一頭から出てくる

塊の肉は燻してブカネに、挽いた肉は腸に詰めてソシス・ペイに、モツは詰めてザンドゥイユに。市場の精肉売り場に並ぶこの3つは、一頭の豚を余さず使った結果の別々の答えだ。冷蔵設備のない時代、さばいた豚を無駄なく長くもたせるための技術がそれぞれ形になっている。売り場を端から端まで見ると、その分業が並んでいるのが分かる。

食卓の話

島でいちばん名前が挙がる料理の主役

「レユニオンの料理といえば?」と聞かれたとき、カリ・プレと並んで必ず出てくるのがルガイユ・ソシスだ。湯がいて輪切りにしたソシス・ペイを、トマト・玉ねぎ・生姜・唐辛子と炒め合わせる。長く煮込まないので短時間でできて、材料も市場でそろう。家庭でも食堂でも作られる理由がそこにある。カリが日曜の料理なら、ルガイユ・ソシスは平日の料理だ。

短い話

  • 1
    péi は「島の」市場の札で見る3文字。輸入品との区別。
  • 2
    生と燻製がある燻したものは色が濃く表面が乾いている。並んでいれば見分けられる。
  • 3
    まず湯がく塩気と脂を抜いてから炒める。この一手間で塩加減が決まる。
  • 4
    ルガイユは炒め合わせカリのように長く煮込まない。材料の形が残るところで止める。
  • 5
    ザンドゥイユはモツ同じ売り場にある。輪切りの断面を見せて並べてある。
  • 6
    食堂の日替わりで探すplat du jour の常連。買うより頼むほうが早い。
クレオール料理店の手書きメニュー表
クレオール料理店の手書きメニュー。ルガイユ・ソシスは日替わりの常連(2009年撮影)
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食べに行く前に

注文のことば

Un rougail saucisses, s'il vous plaît.アン・ルガイユ・ソシス、シル・ヴ・プレ/ルガイユ・ソシスを1つください
C'est de la saucisse péi ?セ・ドゥ・ラ・ソシス・ペイ?/島のソーセージですか?
Fraîche ou fumée ?フレッシュ・ウ・フュメ?/生ですか、燻製ですか?
C'est piquant ?セ・ピカン?/辛いですか?
Avec du riz et des grains.アヴェック・デュ・リ・エ・デ・グラン/ご飯と豆を添えて

ルガイユ・ソシスはクレオール料理店の日替わりの常連。ソーセージそのものは市場や精肉店で量り売り。生と燻製の両方が並んでいる。

値段と覚え書き

ルガイユ・ソシス(一皿)12〜18€約2,100〜3,200円
ソシス・ペイ(1kg)10〜18€約1,800〜3,200円
ザンドゥイユ(1kg)12〜20€約2,100〜3,500円
  • 「péi」の表示があれば島産
  • 生と燻製で味も色も違う。燻製は煙の香りが乗る
  • 湯がいてから炒めるのが基本。塩気が強いので省かない
  • ルガイユ・ソシスは島の二大定番のひとつ
  • ザンドゥイユはモツ。好みが分かれる
  • 肉製品なので国をまたぐ持ち出しには制限がある

値段は2026年9月時点の目安。1€=約175円で換算。営業時間・価格は変わることがあるので、行く前に確認を。

参照資料

写真の出典(11枚)

写真は原典のライセンス(CC BY/CC BY-SA/CC0)に従って掲載しています。作者名・ライセンス・原典リンクを1枚ずつ表示しています。明るさ・彩度・コントラストを調整した写真には、その旨を併記しています。

  • 生のソシス・ペイ(レユニオンの豚ソーセージ)が輪になって並ぶ|David Monniaux/CC BY-SA 3.0/2005年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • 店頭の赤いトレーに並べられたザンドゥイユ(クレオール風アンドゥイユ)|David Monniaux/CC BY-SA 3.0/2007年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • 赤く染まった塩漬け豚バラ(ブカネ)が山盛りになった売り場|David Monniaux/CC BY-SA 3.0/2005年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • 値札を添えて店頭に吊るされたブカネ(燻製豚バラ)|Matthieu Sontag (Mirgolth)/CC BY-SA 3.0/2011年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • 「Boucané maigre」の札をつけた赤身の燻製豚の売り場|Matthieu Sontag (Mirgolth)/CC BY-SA 3.0/2011年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • 真っ赤な小粒のピマン(唐辛子)が山盛りになった売り台|David Monniaux/CC BY-SA 3.0/2005年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • サン・ドニの小市場(プティ・マルシェ)の入口|Olaf2/CC BY-SA 4.0/2024年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • パラソルが並び買い物客であふれるサン・ピエールの露天市|Guallendra/CC0/2024年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • サン・ピエールの屋根付き市場の外観|Thierry Caro/CC BY-SA 4.0/2011年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • 赤いテントの下に花や野菜が並ぶサン・ピエールの露天市|Guallendra/CC0 1.0/2024年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)
  • クレオール料理店の手書きメニュー表|Nop112233/CC BY-SA 4.0/2015年撮影/明るさ・彩度・コントラストを調整(原典)

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