やわらかい豆腐を、赤いスープに合わせたスンドゥブチゲ。
韓国おぼろ豆腐の鍋

スンドゥブチゲ

순두부찌개Spicy stew of soft tofu with seafood or pork and an egg

赤い汁の中に、ふわっと崩れる豆腐。スンドゥブチゲの主役は、しっかり四角く成形した豆腐とは違う。貝や肉のだし、卵、香味の油が、そのやわらかさを支える。

どんな料理?
01

四角い豆腐ではない、
やわらかさの料理。

匙で豆腐をすくうと、四角い塊というより、小さくほぐれるやわらかな形が見える。豆腐の種類を知ることが、この料理を知る最初の一歩になる。

スンドゥブそのものと、スンドゥブを入れたチゲは別。白い豆腐を味わう料理も、赤い海鮮スープに合わせる鍋もあり、土地によって発展の方向が違う。

スンドゥブは、豆乳を凝固させた後、強く圧搾して形を固める前のやわらかな豆腐。その豆腐を汁に合わせるのがスンドゥブチゲだ。

赤い辛味の汁に貝や肉を入れる型が広く知られる。豆腐のやわらかさに、魚介や肉の具の食べ応えを組み合わせるため、見た目が赤いだけの豆腐スープではない。

ご飯と小皿の副菜を添えた、スンドゥブチゲの定食。

ご飯と小皿の副菜を添えた、スンドゥブチゲの定食。 写真の出典

熱い鍋へ卵を割り入れるところ。

熱い鍋へ卵を割り入れるところ。 写真の出典

スンドゥブ
豆乳を凝固させ、圧搾で固く成形する前の豆腐。
汁の具
貝や肉などで、豆腐とは別の食感とうまみを作る。
卵
熱い鍋へ割り入れる食べ方をする店もある。
土地と豆腐
02

江陵の草堂から、
海鮮の赤い鍋へ。

江陵の草堂スンドゥブは、海水を使う凝固の方法などで知られる豆腐文化。韓国観光公社は、豆、海の凝固剤、豆腐作りを地域の特徴として紹介する。

草堂の豆腐を穏やかな味で食べる料理と、赤いチゲにする料理は区別したい。スンドゥブという素材が同じでも、料理の完成形は一つではない。

江陵では、韓国式中華の海鮮スープ、チャンポンとスンドゥブを合わせる型も名物になっている。やわらかい豆腐が、異なる食文化の汁にも入り、町の料理として変わってきた。

卵やきのこを合わせた、豆腐の赤い鍋。

卵やきのこを合わせた、豆腐の赤い鍋。 写真の出典

鍋の仕組み
03

だしを作り、
やわらかな豆腐を入れる。

汁には貝や肉、野菜などを合わせる。唐辛子の油を使う型では、赤い色だけでなく香りも加わる。豆腐は形が崩れやすいため、固い豆腐と同じ大きな角切りの扱いではない。

熱い鍋に卵を割り入れる店もある。卵は初めからすべての器に同じように入っているとは限らず、店の食べ方の案内に合わせたい。

貝と豆腐を匙ですくうと、弾力のある具とやわらかな具が同時に入る。鍋の面白さは、辛さだけでなく、その食感の違いにもある。

貝と、形の崩れやすいやわらかい豆腐。

貝と、形の崩れやすいやわらかい豆腐。 写真の出典

スンドゥブチゲを中心に、副菜やご飯が並ぶ食卓。

スンドゥブチゲを中心に、副菜やご飯が並ぶ食卓。 写真の出典

豆腐を固くしないまま、
熱い汁の主役にする。

白い型と赤い型
04

辛くない一杯も、
海鮮スープの一杯も。

えごまの粉を使うトゥルケ・スンドゥブチゲは、白い色で紹介される型。やわらかな豆腐に香ばしいえごまを合わせ、赤い辛味を中心にしない。

アサリなどの貝を使う型では、汁と豆腐に魚介の味が重なる。海鮮チャンポン・スンドゥブは赤い海鮮スープと豆腐の取り合わせで、必ず麺を入れる料理というわけではない。

同じ料理名でも、貝、肉、えごま、チャンポンでは重心が違う。スンドゥブという豆腐を軸に、どんな汁へ合わせたのかを見ると選びやすい。

赤いスープが沸く、土鍋のスンドゥブチゲ。

赤いスープが沸く、土鍋のスンドゥブチゲ。 写真の出典

ご飯との食事
05

匙で豆腐を取り、
ご飯と交互に。

定食では、ご飯と小皿の副菜を添えて出す。鍋の豆腐や汁を匙で取り、ご飯と合わせると、強い汁と豆腐のやわらかさが一食の中にまとまる。

鍋は熱いまま提供されることがある。表面だけでなく豆腐や卵も熱いので、少しずつすくいながら食べたい。

赤い鍋の写真に目が行っても、主役はやわらかな豆腐。その豆腐がどこで作られ、どんな汁に入ったかまで知ると、スンドゥブチゲの幅が見えてくる。

ねぎをのせた、橙色の豆腐スープ。

ねぎをのせた、橙色の豆腐スープ。 写真の出典

匙で豆腐をすくう。小さくほぐれるやわらかさが見える。

匙で豆腐をすくう。小さくほぐれるやわらかさが見える。 写真の出典

豆腐の柔らかさ
06

圧搾する前の豆腐が、
汁を受ける主役になる。

豆腐作りでは、豆乳を凝固させた後、圧搾して形を整える段階がある。スンドゥブは、その圧搾でしっかり固める前の豆腐。成形した角切り豆腐とは違う姿になるのは、鍋で崩したからだけではない。

やわらかな豆腐は、箸で大きく挟むより匙で取る形になる。汁と一緒にすくえば、豆腐の口当たりとだしを同時に味わえる。固く焼く豆腐料理とは、素材の使い方も食べ方も違う。

草堂で白い豆腐を味わう料理、赤い貝のチゲ、えごまの白いチゲ、チャンポンの海鮮スープ。豆腐という同じ素材が、異なる汁に合わせられる。それぞれを知ると「スンドゥブは必ず辛い」という見方も変わる。

卵を割り入れる店では、熱い汁の中で卵の状態も変わっていく。豆腐、卵、貝や肉は、全部がやわらかい具というわけではない。やわらかさの異なる材料を合わせることが、この鍋の食べ応えを作っている。

魚介や肉を加えた鍋から、豆腐をすくう。

魚介や肉を加えた鍋から、豆腐をすくう。 写真の出典

店と売り場
07

料理を出す場所と、
作る人の仕事。

江陵の元祖草堂スンドゥブの店先。

江陵の元祖草堂スンドゥブの店先。 写真の出典

箸で持ち上げた草堂の豆腐。

箸で持ち上げた草堂の豆腐。 写真の出典

草堂の豆腐の料理と副菜。

草堂の豆腐の料理と副菜。 写真の出典

白い汁に入るやわらかな草堂の豆腐。

白い汁に入るやわらかな草堂の豆腐。 写真の出典

豆腐ときのこを合わせる鍋。

豆腐ときのこを合わせる鍋。 写真の出典

草堂スンドゥブを出す店先と道具の飾り。

草堂スンドゥブを出す店先と道具の飾り。 写真の出典

草堂の豆腐の食堂の外観。

草堂の豆腐の食堂の外観。 写真の出典

草堂の食堂
08

白い豆腐の店先と、
赤いチゲの器。

江陵の草堂の写真には、豆腐料理の食堂の外観と、白い汁に入る豆腐がある。赤いチゲの写真だけをスンドゥブの全てと考えると、この穏やかな白い型は見落とされる。スンドゥブという豆腐の素材と、どんな汁へ入れるかを分けて知りたい。

食卓には、固めた豆腐を切った皿と、やわらかい豆腐の汁、野菜やきのこの鍋が一緒に並ぶ。豆腐を作る店では、一つの大豆を違う固さと料理へ変える。店先の道具の飾りと、料理の匙の中身を合わせると、素材の加工と食事がつながる。

海水を使う凝固の方法の説明は、土地の海と大豆の仕事を結びつける。海の写真をただ置くのではなく、豆腐の塊と汁を見せることで、地域の条件がどこへ料理に入るかが具体的になる。

中華の汁と豆腐
09

チャンポンの汁にも、
やわらかな塊を入れる。

江陵のチャンポン・スンドゥブは、韓国式中華の海鮮の汁に豆腐を合わせる型として紹介される。豆腐は地域の材料で、汁は別の食文化の料理。二つを一杯へ入れることで、地域の名物は新しい形にもなる。

アサリ入りやエゴマ入りのスンドゥブの型もある。赤い色だけで全てを辛い同じ味と決めず、貝の汁、エゴマの香り、中華の海鮮の汁を分けて知ると、やわらかな豆腐が何を受け止めるかが分かる。

コングクスは豆を液体の汁へ加工し、コンビジチゲは豆の細かな粒を残す。スンドゥブはやわらかな豆腐の塊になる。大豆という共通の材料を、どのような形へ変えるかが、白い料理の違いを作っている。

豆腐の鍋

Sundubu-jjigaeスンドゥブチゲ

순두부찌개

圧搾前のやわらかな豆腐を、貝や肉の赤い汁に合わせた鍋。

キムチ

Kimchi-jjigaeキムチチゲ

김치찌개

熟成したキムチを豚肉などと煮る鍋。酸味と辛味が中心になる。

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味噌

Doenjang-jjigaeテンジャンチゲ

된장찌개

味噌を溶いた汁に固い豆腐や野菜を入れる鍋。豆腐の形が違う。

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おから

Kongbiji Jjigaeコンビジチゲ

콩비지찌개

粗く挽いた大豆を煮る鍋。同じ大豆でも豆腐にする前の形を使う。

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基本情報

国・地域
韓国。土地によって白い豆腐を味わう料理と赤い鍋に発展の方向が分かれる
分類
やわらかな豆腐を辛い汁に合わせるチゲ
主な材料
スンドゥブ、貝や肉、卵、香味の油、唐辛子
味の軸
赤い辛味の汁に、貝や肉のだしと崩れる豆腐のやわらかさ
調理
貝や肉のだしを取った赤い汁にスンドゥブを合わせ、熱い鍋へ卵を割り入れる
食べる場面
ご飯と小皿の副菜を添えた定食として出される
型・地域差
赤い汁に貝や肉を入れる型が広く知られる。白い豆腐を味わう料理も別にある
現地名
순두부찌개(Sundubu-jjigae)
記録・注記
スンドゥブは豆乳を凝固させ、圧搾して固める前の豆腐。チゲとは別の料理

出典

写真(17枚)

  • 1. やわらかい豆腐を、赤いスープに合わせたスンドゥブチゲ。 / by avlxyz / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 2. ご飯と小皿の副菜を添えた、スンドゥブチゲの定食。 / by avlxyz / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 3. 熱い鍋へ卵を割り入れるところ。 / by :/ / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 4. 卵やきのこを合わせた、豆腐の赤い鍋。 / by titanium22 / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 5. 貝と、形の崩れやすいやわらかい豆腐。 / by ayustety (flickr) / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 6. スンドゥブチゲを中心に、副菜やご飯が並ぶ食卓。 / egg (Hong, Yun Seon) / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 7. 赤いスープが沸く、土鍋のスンドゥブチゲ。 / yoppy / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 8. ねぎをのせた、橙色の豆腐スープ。 / yoppy / CC BY 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 9. 匙で豆腐をすくう。小さくほぐれるやわらかさが見える。 / travel oriented / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 10. 魚介や肉を加えた鍋から、豆腐をすくう。 / Ser Amantio di Nicolao / CC BY-SA 4.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 11. 江陵の元祖草堂スンドゥブの店先。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 12. 箸で持ち上げた草堂の豆腐。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 13. 草堂の豆腐の料理と副菜。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 14. 白い汁に入るやわらかな草堂の豆腐。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 15. 豆腐ときのこを合わせる鍋。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 16. 草堂スンドゥブを出す店先と道具の飾り。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。
  • 17. 草堂の豆腐の食堂の外観。 / Republic of Korea from Seoul, Republic of Korea / CC BY-SA 2.0 / 原典。表示時に明るさを調整。

写真は各原典で作者とライセンスを確認したものです。すべてサイト内に取り込み、本文では明るさ・彩度を控えめに補正して表示します。